log-2021

大学院生 → 新卒IT の徒然日記

01.25

大長編ドラえもんの第3作であるのび太の大魔境を読了した。

大長編ドラえもんはいわゆる映画の原作となる作品で、多くの場合日常から離れたところでキャラクターたちが冒険を行うものである。普通のドラえもんではいじめっ子役のジャイアンスネ夫が良き仲間として頼もしい活躍を見せてくれることは、大長編ならではの見どころとして知られている。

しかしこののび太の大魔境はちょっとテイストが違い、ジャイアンがヘソを曲げ終盤まで孤立した状況でストーリーが進んでいく。行動こそ共にするものの、居心地の悪いギクシャク感が細かな描写からヒリヒリと伝わってくるため、冒険そのものとは出どころの違う緊張感をもたらしている。

こういった状況は日頃の対人関係においても往往にして起こりうる。おそらく作者の藤子さんはジャイアンの姿を通し、そうしたときにどう関係を修復していくかを伝えようとしたのではないかと思う。ドラえもんという作品の奥深さにただただ感動するばかりである。